M-65フィールドジャケット

米軍のM-65フィールドジャケットについて、その種類、年代によるディテールの違いなど、ざっくり解説します。
映画や雑誌を見てM65欲しくなったけど、
何を買えばいいの?どんな種類があるの?どう違うの?サイズは?
なんかミリタリーって敷居が高そうでお店の人に聞きにくいし、誰か教えてって方。
このページ読めば、もうほとんどOKです。
M-65に関して少しネットで調べれば、詳しく考察されている方がおります。 細かなデータやマニアックな考察は、そちらのサイトにお任せして、当店としては、今までお客さんから質問されたディテールの違いやサイズ選びについてざっくりと解説するぐらいにとどめます。 当店のお得意様にはM-65だけで、すでに10着以上〜押入れ一段、所有されている方も多く、このぐらいの特集ページではご満足頂けないかもしれません。 また、内容は私独自のファッション的な意見も混ざっていますが、記載に間違えがあったら、是非お知らせください。訂正、追記も随時していきます。
M-65フィールドジャケット,動画解説Youtube動画はこちら


1ST.モデル  2ND.モデル  3RD.モデル  4TH.モデル  カモフラージュ サイズ選びについて  フードの付け方
 
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M-65以前のフィールドジャケット

M-1941 M-1943 M-1950 M-1951と続いてきたフィールドジャケットの完成型となったのがM-65です。

私見になりますが、M-65の原型はM-1941ではなくM-1943だと思います。
フラップとマチのついた立体的なポケット、ウエスト内のドローコード。袖口を絞れること。
M-1943は、マウンテンパーカー等その後のアウトドア用ジャケットに大きな影響を与えました。
外観そのままに内側にライナー装着用のボタンをつけたマイナーチェンジ版のM-1950を経て
M-1951へと大きく変わります。フロントにジップを採用。従来のボタンは袖口と首元襟裏だけにとどめ、フロントとポケットフラップにはスナップボタンを採用します。

そしてM-65の誕生。30年近く採用され、他国の戦闘服にも影響を与えることになりました。
また、現在も多くのブランドが、M65のデザインをベースにしたジャケットを作っています。

 

M-65 1st.モデル・最初期型

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まずはM-65の最初期型 ファーストモデル
65〜66年モデルとなります。のちの名作となるM-65の誕生ですが、当初M-1951まで付いていた
肩のエポレットがありません。肩エポレットを見慣れた者には、なで肩シルエットに見えます。
しかし理由はわかりませんが、1年でデザインが変更されエポレットは復活します。そのため短命の1st.モデルは、市場に出てくる玉数が少ないです。当店のネット販売のデータでM65のジャケットだけ抽出してその数1000近くになりますが、その中で30着ちょっと。100着仕入れたら3着入る計算ですが、年々数は減少しています。
コントラクトナンバーはまだ年度が入る前で、DSA100-3桁・4桁。うちでは817.1690.1691.1928.2365などのでデータがありますが、半分ぐらいはコントラクトラベルなくなっていたので詳細不明です。
意図的に肩のエポレットとボタンを外す改造を施した物もあります。その場合は肩先の縫製で判断できます。

エポレット以外で、それまでのM-51フィールドジャケットからの変更点といえば、コットン100%からコットン・ナイロンの50/50に変わった点です。コットン100%の生地は、色落ち、あたりが出やすく、シミや汚れもつきやすいので、ナイロン混への変更は改善と言えます。
デザイン面では襟がなくなり、スタンドカラーの中に簡易フードを装備。
M-1951までついていた袖口カフス(切替)やボタンはなくなり、ベルクロを使ったM65独自のデザインになりました。M65以前は袖ボタンが引っかかって取れてたり、袖口の擦り切れダメージが多いのは、今現在残っているM1951、M1943の古着を見ても明らかです。
ウエストとすそ(ゴム入り)のドローコードでフィット性を高め、背中の両肩下にアクションプリーツをつけ動きやすくなりました。


M-65 1st.モデルの在庫
 
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M-65 2nd.モデル・アルミジップ


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そしてセカンド 2nd.モデル。通称アルミジップ、アルミとか言ってます。66年から71年。
1stモデルに付かなかった肩のエポレットが復活します。
個人的には肩のエポレットはあった方がかっこいいと思いますが、まさか軍が「やっぱりエポレットがあった方がカッコイイいいんじゃね?!」っていう理由で、1年足らずでデザイン変更したと思えません。
もしかすると、M65から採用され収納型フードの生地が薄く頼りないので、後付けでフードをつけたいが、エポレットのボタンがないので固定できない。なんて声が現場から上がったのかもしれません。

余談ですが、この肩のエポレットは好き嫌いもあるらしく、このエポレットを外して(リメイク)販売するお店もあります。
逆にファーストモデルにエポレット(M-1951フィールドジャケットの生地で自作+平型ボタン)を取り付け改造したものも何回か見た事があります。これらファーストかセカンドは縫製を見れば判断できます。

さてこのセカンドモデルは、映画 TAXI DRIVERでロバート・デニーロ演じるトラヴィスが着ていたというので人気があります。それとセルピコのアルパチーノも2nd.です。

2nd.モデルの中でも細かなディテールの変更もあります。
初期の頃は、首元のベルクロ止めフラップが、ボディと同じ生地でした。のちに別生地(テープ)に変わります。
そして70年に入って、袖口のマチ(三角の薄い生地を使っています)が、廃止になります。
このマチ部分、擦り切れ、小穴ダメージになりやすいので改善したのでしょう。

M-65フィールドジャケット,M65ミリタリージャケット,グレーライニング
68年(3rd.期だと72年)コントラクトにグレー色裏地のものがあります。
グレーライナー、グレーライニング、グレライなどと呼ばれています。
この裏地がグレーの個体も生産年数が少ないので探されている方もいます。
このグレーライニング、お店泣かせで、生地が弱く、たいてい袖の中、破れがあります。見つければミシンで直してます。

M-65 2nd.アルミジップモデルの在庫
 
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  M-65 3rd.モデル・ブラスジップ



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そしてサード 3rd.ブラスジップ。1972年〜80年代半ばまで。
それまでの2nd.モデルとの違いは、アルミジップが、ブラスジップに変わったことです。この期間は72年から86年前後までと長く、市場に出ているM65の多くはこの3rdと言ってもいいぐらいです。期間も長く、メーカーも多いためか、細かな部分でいろいろな違いもあります。

72年の一部のロット(DSA100-C-72-0130/0131/0132)にブラック仕上げのジップを装備した変異種があります。
これはグレーライナーよりも玉数少ないかもしれません。

M65,ブラックジップ,黒ジップ


ここで全タイプ共通ですが、M-65の特徴となる箇所を画像解説しました。
まずは、ウエスト部分(内側)のドローコード。これは、表生地の裏と裏地の間を通って内側に出ています。M51などは、外側にヒモが出てました。すそは、収縮性のあるゴムの入ったヒモが使われてます。古着の多くはこのヒモが経年劣化してしまいます。長く伸びきってしまったヒモは束ねてある場合もありますが、多くは切られたり、抜き取られたりしています。
そしてライナー。M-1951からはボタンで本体に装着できるデザインになりましたが、M1951のウールパイルからM65は軽い中綿入りに変わりました。薄々のライナーですが、あるのとないのでは大違いの温かさです。肌触りもよく、私は冬場つけっぱなしです。 M-65ジャケット用ライナーの在庫


余談ですが、採用された65年と言えばアメリカはベトナム戦争中。なぜCOLD WEATHER 対応のM65になったのでしょうか。ジャングルファティーグなどの熱帯地域用の開発と並行して、次はソ連と想定していたのかもしれません。

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M65ジャケット・パーカー共用フードのページへ

M-65フィールドジャケット,M65ミリタリージャケット,サード,3rd.,古着 M-65共通の特徴で、首周りのジップの中に簡易フードが入ります。背中裏との間に落とすため、ガサガサして嫌だという人もいます。前所有者が切ってしまってる古着もたまに出てくるので、検品しています。

>>フードの付け方

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大きく変わるのは、85年頃でしょうかフロントはブラスジップのまま、首周りのジップにYKKのプラスティック製が使われます。

M-65 3rd.ブラスジップモデルの在庫
 
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M-65 4th.モデル・プラスティックジップ



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そしてフォースタイプ OD無地のM65最終型です。
フロントのジップがYKKのプラスティック製に。このジップ、安定していて、65好きの中でも嫌いじゃないと言う人が結構います。頑丈です。実際古着をたくさん見てきましたが、YKKは信頼のブランドです。M65に関してジップの破損が多いのは、ブラスジップのスライダー金具の部分です。アルミも言われるほど壊れないです。アルミは首周りのジップがたまに全く動かなく固まってたりもしますが、、、
このフォース(4th.)タイプ、年代は新しいのですが、生産数が少ないのかわかりませんが、市場にはあまり出てきません。

そして、OD色のM-65は終了し、ウッドランド、3カラーデザートのカモフラージュパターンに変わります。

M-65 4th.プラスティックジップモデルの在庫
 
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カモフラージュ

このページではOG-107オリーブドラブについてを解説しました。
カモフラージュは、採用されているウッドランド、デザート、ACUカモの画像だけ掲載します。

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m65ユニバーサルカモ
カモフラージュモデル在庫

 
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コントラクトについて

アメリカ軍採用の衣類、装備品目にはコントラクトと言って会計年度(正しくは製造・支給とは別)が印字されます。
布や紙に印字されたラベルだったり、本体に直接プリントされたものもあります。
これはその物の年式を知ることのできる重要な手がかりとなります。
代表的なコントラクトナンバーの書式は、DSA DLA SPO などの3文字に続き100がきて、その次の二桁が年式です。
例)DSA 100 - 67 - C- 0000 であれば1967年度という意味です。
コントラクトのラベルは取れてしまいますし、直接プリントされたものでも、経年で消えてしまいます。
コントラクトがない=実物ではない=本物ではないと単純に決めつけてはダメです。
逆にコントラクトナンバーを印字した商業ブランド品、レプリカもあります。
生地やパーツ、縫製など総合的にみて判断したいです。
 

M-65のサイズについて

アメリカ軍のサイズ表記はわかりやすいです。幅のサイズと着丈のサイズ表記の組み合わせです。
例えば、MEDIUM REGULAR であれば、胸囲94-104cmで身長170-180cm対応という意味です。
サイズの区分けはわかりやすいのですが、その基準が我々日本の感覚と違いわかりにくくさせています。
アメリカ軍のサイズ基準なので、MEDIUMといっても、日本人からすると大きいです。
私の主観では日本のL以上かと思います。試着できない通販のお問い合わせには、あくまで目安としてですが、、
横幅、X-SMALLを日本のSぐらい SMALLを日本のMぐらい 
MEDIUMを日本のLぐらい LARGEを日本のXL(2L 3L?)ぐらいと説明しています。
そして丈は、身長160-170cmがSHORT 170-180cmがREGULARが原則です。
私は身長168cmで62kg前後の体型、通常Mサイズを選びますが、米軍の場合、SMALL SHORTが適正です。
丈が少し長めREGULARも所有しています。(本来は米軍の170-180cm対応ですが)
SMALLは、私にとってM65にライナーをつけて快適に着れるサイズです。ライナーなしであればXSMALLも着れます。
M65は、ゆとりのあるデザインでアームホールも太く、洗練されたシルエットとはほど遠い、どちらかと言えば野暮ったいデザインです。 そのため、極力タイトに着たい方がXSMALLを探されたり、身長が高いにも関わらず着丈の短いSHORTやXSHORTをお求めになることもあります。
この辺は好みになります。最初はアメリカ軍のチャートを参考に
SMALL=M・MEDIUM=L
身長170cm前後からREGULAR
ぐらいで一着目をお選び頂くのがよいかと思います。
 
CHEST胸囲→→
HEIGHT身長↓↓
X-SMALL
74-84cm
SMALL
84-94cm
MEDIUM
94-104cm
LARGE
104-114cm
X-LARGE
114-124cm
X-SHORT
150-160cm
- -
SHORT
160-170cm
REGULAR
170-180cm
LONG
180-190cm
 

**在庫のないサイズもありますが ●をクリックすると在庫一覧にリンクさせました。
○ の付いていない - のところは、OG-107オリーブドラブで作られなかったサイズです。(カモフラージュはこれ以外のサイズもあります。)
X-LARGE3種とX-SMALLのLONGは仕入れたデータがありません。特にXLARGEのLONGとXSMALLのLONGは作られていたのか不明
現物のサイズ表記が、古いロットは、REGULAR MEDIUM など、幅と丈が逆に印字されています。そのため間違えを回避する意味もあって当店のサイズ表記はMEDIUM REGULAR やREGULAR MEDIUM共、Mレギュラーと記載しています。
また何度も書きますが、このMは日本のMサイズより大きいですのでお間違いなく。商品ページに必ず実寸を記載しておりますので、お手元のジャケット類の脇の下左右の距離を計測して、ご検討ください。

最後に
このページは、M-65の各モデルを時系列にその変更点を中心書いたため、M-65自体の魅力について、個人的な思い入れはなるべく書かないようにしました。それでも余談を書いてしまい、整理できませんでした。
M65の一番の魅力は何かと聞かれれば、デザインが変わらなかったことでしょうか。
細かな変更点はあるものの、すべては1965年に完成されていたということ。
車のように進化したり時代に合わせて外観を一新させる必要がなかったこと。
変わらなかったことがすべてです。
米軍のCOLD WEATHER JACKETとしては、その任をECWCSに後継した後も、流行に左右されないそのデザインは、いまだ多くの人に愛用されています。
毎年秋になり寒い日がやって来ると「そろそろ着れるな」(にやり)とわくわくするのは私だけではないはずです。
この解説ページが、お気に入りの一着を選ぶ際の役に立てればうれしいです。

youtube動画も合わせてご覧ください。

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